毒と医学

毒と医学の記事一覧

最新記事

毒と医学

ボツリヌス毒素からボトックスへ|最強の毒が美容医療を変えた

ボツリヌス毒素は「最強の毒」とだけ語ると、本質を見失います。毒性学の実務でまず見るのは、何mgかではなく、どこに、どれだけ、どの経路で入るかという三つで、全身に回る中毒と、医師が局所へごく微量を打つ医療は、同じ物質でも意味がまるで変わります。 ボツリヌス毒素は毒と薬という二面性を持つ分子です。

毒と医学

トリカブトと漢方の附子|毒が薬になるまで

山菜と見分けを誤れば命に関わるトリカブトは、塊根を加工し、規格の中で管理すると、生薬附子(ブシ)として医療の現場に入ってきます。この記事は、毒草としての植物が、どうやって処方に組み込まれる医薬の素材へ変わるのかを知りたい人に向けて、その道筋を一本の線でたどるものです。

毒と医学

ジギタリスの物語|毒から薬、そして再評価

花壇では優美に見えるジギタリスは、ひとたび体内に入れば心臓に触れる毒でもあります。その危うい植物が、18世紀の観察医学から現代の薬理学へどう橋を架け、心不全治療の景色をどう変えたのかを追うのが本稿です。

毒と医学

抗毒素と血清療法|北里柴三郎が開いた道

北里柴三郎を語るとき、主役は人物名だけでは足りません。焦点に置くべきなのは毒素そのものと、それを狙い撃ちで中和する抗毒素、そしてその抗体を投与して即効性を引き出す血清療法という発想です。

毒と医学

コノトキシンの鎮痛機序|MVIIAとジコノチド

海の捕食者であるイモガイは、数百種規模に広がる系統のなかで、多様な小型ペプチド毒コノトキシンを磨き上げてきました。その到達点のひとつが、ω-コノトキシンMVIIAの作用をもとに生まれ、2005年にFDA承認へ至ったジコノチドです。